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【私があなたに!2】10.日和のこと
ちひろを誘った日の放課後、いつも通り図書室に行き、いつもの席に腰をおろす。 遊びに誘ってからのちひろは、一日中、幸せお日様パワー全開といった感じで、周りの友達からも「ちひろ、いつもにもまして元気だねー」などと言われていた。 基本的に... -
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【私があなたに!2】9.初めての・・・
「行ってきます」 一つの儀式としての挨拶。 誰に言うわけでもなく、家を出る。 でも最近は、母親も見送りにも出てくることもなくなって、ちょっと心が軽い。 秋晴れで空が高く、今日は風も吹いていない穏やかな日だった。 (イルミネーションに日和... -
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【私があなたに!】8.美桜と図書館
翌日、ちひろから「特に予定がなければ日曜日まで泊まってもいいよ」と言ってもらったけど、流石にそれは申し訳ないと思い断わって、土曜日のお昼過ぎには家に戻った。 それに、テストが終わったばかりなので宿題も少ないから、突貫工事のテスト勉強に... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_3
「ちょっと作りすぎちゃったかな…………」 さっきちひろの部屋で、お父さんは出張で留守のため、少人数だから家族のプライベートリビング(ということは、別にパーティーができるようなところもあるのだろうか)で、晩御飯と聞いて油断していたけど、実際は... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_2
翌日の放課後、予定通り図書室には寄らずに家に帰り、簡単に支度を済ませて迎えに来ると言っていたちひろを待つ。 ちひろは朝からそわそわしていて、ホームルームが終わるやいなや「迎えにいくからね!」と元気よく告げて帰っていった。 私はてっきり... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_1
(ちひろから来たメッセージ…………ちひろのお母さんが料理張り切って作るって…………。すごいの出てきたらどうしよう) 「ふーっ」 『友達の家に泊まる許可を得ること』たったこれだけのことなのに、すごく疲れた。 前回ちひろの家に泊まったときは、半ば家... -
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【私があなたに!2】6.ちひろ
『泊まりに行くこと、母親から許可でたよ。あっけなかった。明日行ける。お世話になりますって、お母さんにもよろしくお伝えください』 お風呂からあがると、メッセージアプリにみおちゃんからメッセージが送られてきていた。 (やったぁ!) 日和とみ... -
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【私があなたに!2】5.お泊まり
「みお、明日うちに泊まりにこない?」「えーっと、泊まり?」「うん。明後日は土曜日だし、明日、珍しく部活ないんだ。テストも終わったし、お疲れ様会! どう?」「えーっと…………」 ちひろが目を輝かせながら、覗き込むようにこちらを見ている。 ... -
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【私があなたに!2】4.寒空の下で
本格的な冬がもう目の前に迫っていて、コート無しでは辛い季節になってきた。 自転車で通学している日和は『まだまだ大丈夫』とか言っていたけど、彼女も日に日に厚着になっている。 謎の強がりはいったい何なのかと思い、思わずにやけてしまう。 今... -
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【私があなたに!2】3.日和のホンネ_2
「ただいまー」「姉ちゃんおかえりー」 美桜と話しをしてから帰ったとはいえ、いつもは部活の後に寄り道してもっと帰りの遅い弟が、今日は珍しく先に家に着いていた。 「おー。|優《ゆう》も、もう帰ってたのかー。おかえりー」「今日部活早く終わった... -
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【私があなたに!2】3.日和のホンネ_1
美桜と友達になってから、私の中で何かが変わったことは間違いない。 美桜と本音で語り合ったあの日、私が友達と必要以上に仲良くなることに恐怖心があることを告白したら、彼女は「そんなことで悩んでたの?」と言い切った。 間違いなくあの時に変わ... -
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【私があなたに!2】2.私の居場所
私は逃げるように、日和は普段と変わらない感じで教室を後にして図書室へ向かう。 クラスの子は別に気にも留めていないだろうけど、気持ちの問題だから仕方がない。 図書室に向かう廊下でも、日和は友達に話しかけられたり、話しかけたりしている。 ... -
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【私があなたに!2】1.新しい日常
「やっと終わったー」 十一月半ば、二学期制の私の高校は、今日で中間テストが終わった。 クラス全体に解放感、達成感、疲労感、虚無感。色々な感情が渦巻いているように感じる。 (私は…………。うん。達成感かな) 進学校なので中学の頃と比べて格段に... -
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【えちゅーど】8. – Is there hope beyond loneliness?
あれから私たちは、病院に行ったり、警察で事情聴取を受けたり、本当に大変だった。 当然そこそこの騒ぎになったし、警察への連絡が早かったことから犯人はその日のうちに捕まったと聞いた。 ただそれで終わりというわけにもいかず、この件が決着す... -
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【えちゅーど】7. – Rescuer in the DARK!!
登場人物 悠妃(ゆき) 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。話し方が悪いのは親しい人の前だけ。悠妃の親密度のバロメーターともいえる。誰も気が付かないけど・・・ チカ 高校1年。悠妃とは幼馴染。実は悠妃が自分に... -
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【えちゅーど】6. – Isolation
登場人物 悠妃(ゆき) 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。学校と家の往復で、体を動かす機会は体育の授業くらい。興味がないので得意なスポーツとかはない。特に、鉄棒、跳び箱、マット運動が苦手で、どう体を動かせ... -
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【えちゅーど】5. – Unexpected Evaluation
登場人物 悠妃(ゆき) 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。チカが卵料理が好きなことはわかっているが、実は自分もそうだという自覚がない。コンビニでサンドイッチを買う時は、タマゴサンドの確率が一番高いし、コン... -
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【えちゅーど】4. – Turning Dreams into Reality
登場人物 悠妃(ゆき) 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。ヘッドホンでPCの音を聞いていたが、長時間つけていると頭が痛くなることが悩みのタネだった。弾いてみた動画作成のために買ったモニタースピーカーでその問... -
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【えちゅーど】3. – Dear Yuki
登場人物 悠妃(ゆき) 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。料理が得意とは思っていないが、好き。普通の人からすればとても美味しいものを提供しているのにその自覚がない。 チカ 高校1年。悠妃とは幼馴染。悠妃の料... -
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【えちゅーど】2. – Someday in The rain
登場人物 悠妃 高校1年。チカとは小学校からの付き合い。都内のマンションに一人暮らし。ゲーム実況が趣味。別に好きなジャンルがあるわけではないけど、ゲームをしているときとチカと話す時だけ、スラスラと言葉が出る。クラスメイトに話しかけられたとき...