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私があなたに!
【小説:私があなたに!】9.日和の苦悩
風間 美桜。 彼女はいつも何かに怒っているように見えた。 ちひろを別にして特に仲の良い友達がいるわけでもない。 彼女の周りには、どこか厚い壁があるみたいだった。 私以外のクラスメイトには、悪態はついていないように思う。 総じて無愛想... -
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【小説:私があなたに!】8.新しい日常?
その次の日も青井 日和は図書室に現れた。 その次の日も、その次の日も。 「ここいいですか〜」 必ずそう聞いてくることから始まる。 「いちいち聞かなくっていい」「そうなの? 礼儀かと思って」 そんなことを言ってケラケラと笑う。 ただ... -
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【小説:私があなたに!】7.美桜と日和
「みおまたねー」「ちひろ、部活がんばってねー。ばいばーい」 朝方は元気がないように見えたが、体育の授業が楽しかったのか、給食が美味しかったのか、放課後に近づくにつれ元気を取り戻したちひろと別れて自分は図書室に向かう。 最近、用事が... -
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【小説:私があなたに!】6.美桜と母親
この高校に入学して世の中を知った。 中学生の頃は成績の上位に毎回入っていたが、部活もやりつつテストの数週前から必死に勉強して、それでも間に合わない場合は徹夜を何回もしていた。 その上での成績だった。 他の子がどれだけやっているのか... -
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【小説:私があなたに!】5.ちひろの秘密
昨日は一人を除いて、我が青井家の黒歴史が爆誕した日になったけど、世の中の何かが変わるわけでもないので今日も学校に行く。 若干足取りが重いのは私も昨日の事件を引きずっているからに他ならない。 ちなみに、中学の頃は家から近かったので徒歩で... -
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【小説:私があなたに!】4.青井 日和①
(いつも何で怒っているんだろ?笑ってた方がかわいいと思うけど) 学校から帰宅し、めずらしく真っ先に今日の授業の復習と予習をしようと思い、教科書とノートを開いたものの、結局気乗りがせずにぼーっとしていたら、最近頭を悩ませているクラスメイト... -
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【小説:私があなたに!】閑話一:ちひろの願い
みおちゃんは、小学校の頃からずっと同じクラスの友達。 ずっと同じなのは偶然かもしれないけど、本当に嬉しいし、今後もそうなればいいと思ってる。 小学校・中学校は公立なので、学校が別々になることはないけど、高校は危なかった。 中学受験を意... -
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【小説:私があなたに!】3. 私の居場所
「ちひろーー、いやもう、図書室最っ高!」 翌朝、登校中にちひろを見つけたとたん、駆け寄って叫んでしまった。 「うあぁぁ。もうびっくりした。あ、みおちゃんか、おはよう。朝からそんなに大きな声出してどうしたの」「あ、ごめんごめん、おはよう」... -
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【小説:私があなたに!】2. 日和観察日記
「日和、どこか寄ってく? 私、甘いもの食べて帰りたいなー」「うーん。お小遣いピンチだから今回はやめとく」「そっか、了解。またねー」(一人目……) 「日和ちゃん。次の土曜日、映画館行かない?」「あー、次の土曜日、ちょっとうちのお店に大きな注... -
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【小説:私があなたに!】1. 風間 美桜
|私《・》|は《・》|あ《・》|の《・》|子《・》|が《・》|嫌《・》|い《・》。どうしても。 高校に入学して早くも半年が過ぎた。 県内有数の進学校である女子校に入学し、私を取り巻く環境は大きく様変わりした。 高校は受験という...