私があなたに!– category –
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【私があなたに!】8.美桜と図書館
翌日、ちひろから「特に予定がなければ日曜日まで泊まってもいいよ」と言ってもらったけど、流石にそれは申し訳ないと思い断わって、土曜日のお昼過ぎには家に戻った。 それに、テストが終わったばかりなので宿題も少ないから、突貫工事のテスト勉強に... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_3
「ちょっと作りすぎちゃったかな…………」 さっきちひろの部屋で、お父さんは出張で留守のため、少人数だから家族のプライベートリビング(ということは、別にパーティーができるようなところもあるのだろうか)で、晩御飯と聞いて油断していたけど、実際は... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_2
翌日の放課後、予定通り図書室には寄らずに家に帰り、簡単に支度を済ませて迎えに来ると言っていたちひろを待つ。 ちひろは朝からそわそわしていて、ホームルームが終わるやいなや「迎えにいくからね!」と元気よく告げて帰っていった。 私はてっきり... -
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【私があなたに!2】7.お泊まり会_1
(ちひろから来たメッセージ…………ちひろのお母さんが料理張り切って作るって…………。すごいの出てきたらどうしよう) 「ふーっ」 『友達の家に泊まる許可を得ること』たったこれだけのことなのに、すごく疲れた。 前回ちひろの家に泊まったときは、半ば家... -
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【私があなたに!2】6.ちひろ
『泊まりに行くこと、母親から許可でたよ。あっけなかった。明日行ける。お世話になりますって、お母さんにもよろしくお伝えください』 お風呂からあがると、メッセージアプリにみおちゃんからメッセージが送られてきていた。 (やったぁ!) 日和とみ... -
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【私があなたに!2】5.お泊まり
「みお、明日うちに泊まりにこない?」「えーっと、泊まり?」「うん。明後日は土曜日だし、明日、珍しく部活ないんだ。テストも終わったし、お疲れ様会! どう?」「えーっと…………」 ちひろが目を輝かせながら、覗き込むようにこちらを見ている。 ... -
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【私があなたに!2】4.寒空の下で
本格的な冬がもう目の前に迫っていて、コート無しでは辛い季節になってきた。 自転車で通学している日和は『まだまだ大丈夫』とか言っていたけど、彼女も日に日に厚着になっている。 謎の強がりはいったい何なのかと思い、思わずにやけてしまう。 今... -
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【私があなたに!2】3.日和のホンネ_2
「ただいまー」「姉ちゃんおかえりー」 美桜と話しをしてから帰ったとはいえ、いつもは部活の後に寄り道してもっと帰りの遅い弟が、今日は珍しく先に家に着いていた。 「おー。|優《ゆう》も、もう帰ってたのかー。おかえりー」「今日部活早く終わった... -
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【私があなたに!2】3.日和のホンネ_1
美桜と友達になってから、私の中で何かが変わったことは間違いない。 美桜と本音で語り合ったあの日、私が友達と必要以上に仲良くなることに恐怖心があることを告白したら、彼女は「そんなことで悩んでたの?」と言い切った。 間違いなくあの時に変わ... -
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【私があなたに!2】2.私の居場所
私は逃げるように、日和は普段と変わらない感じで教室を後にして図書室へ向かう。 クラスの子は別に気にも留めていないだろうけど、気持ちの問題だから仕方がない。 図書室に向かう廊下でも、日和は友達に話しかけられたり、話しかけたりしている。 ... -
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【私があなたに!2】1.新しい日常
「やっと終わったー」 十一月半ば、二学期制の私の高校は、今日で中間テストが終わった。 クラス全体に解放感、達成感、疲労感、虚無感。色々な感情が渦巻いているように感じる。 (私は…………。うん。達成感かな) 進学校なので中学の頃と比べて格段に... -
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【小説:私があなたに!】23.友達
風間 美桜。自分勝手な理由で私を嫌いになって、そして自分勝手な理由で私を嫌いじゃなくなって、そして自分勝手な理由で私と友達になりたいと言う。 そして私は『絶対』が無い友人関係に失望して友達と距離を置いたにもかかわらず、それでもどこかで、... -
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【小説:私があなたに!】22.日和と美桜
(よかった…………) 「ありがとう」って言ってくれた時の風間さんは笑った顔ではなかったけど、緊張が取れた優しい顔で、すごく、すっごく可愛かった。 これから彼女と仲良くなれるかもしれない。そんな期待で私もすごく嬉しかった。 なのに………………。 「... -
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【小説:私があなたに!】21.美桜と日和②
いきなり青井に話しかけられたときは本当に驚いたけど、最大の難関と思っていた二人で話せる時間の確保できたのは本当によかった。 なぜ、彼女の方から話しかけてくれたのかは、分からなかったけど。 手紙は昼休みに渡したと、ちひろから教えて... -
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【小説:私があなたに!】20.ちひろ
手紙を私に預けたみおは、心底安心したような様子だった。 (あー、かわいいなー) 青井さんの件に限らず、みおは高校に入ってからは全然余裕が無い様子だったけど、先日私の家に泊まった後は、憑き物が落ちたように柔らかい表情をするようになった... -
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【小説:私があなたに!】19.美桜と日和①
ちひろの家から戻ったが、不思議と母親からも父親からも何も言われず、ただ「どこかに行くときは連絡しなさい」という注意を受けただけで終わった。 ちひろ母のおかげかもしれないが、逆に何をしたらこうなるのだろう。 あっけにとらわれるほどあっ... -
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【小説:私があなたに!】18.風間さん
ただ、風間さんだ。 なぜ彼女は、ここまで私に執着するのだろうか。 もう1つ、分からないことがある。 私はなぜ彼女の笑った顔がみたいなどと思ったのだろう。 そんなこと、最近は友達相手に思うことはなかった。 「ふむ…………何かおかしい」 ... -
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【小説:私があなたに!】17.青井 日和②
「日和ちゃんは、なんでも自分の思い通りになると思ってる!」 (あぁ、これは夢だ) 同じ夢を今まで何回見ただろう。 繰り返し、繰り返しみた過去の情景。 あまりにもたくさん見たせいで、最近はこれは夢だとすぐに気がつくようになっていた。 た... -
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【小説:私があなたに!】閑話三:隠していること
「友達になれたらいいね」 私はみおちゃんにそう伝えるのが精一杯だった。 大好きなみおちゃんが傷ついていることへの苛立ちから感情が抑えられず、元凶の1つのみおちゃんのお母さんを責めてしまった。 私は、みおちゃんが好きだ。 おそらく友達... -
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【小説:私があなたに!】16.ちひろと美桜
「えっとね。みおは本当に不器用。不器用だけど、とっても優しいってことを私は知ってる。そして、逆にこれは今まで知らなかったこと」 「みおが学校に来なくなっちゃって、それで、何度かみおの家にも行って、みおのお母さんと話した。ただ…………本当に失...