気がつけば、夜が明けていた。
帰宅し、疲れたからと言ってご飯も食べずに部屋に閉じこもったため、制服のままだ。
カーテンを閉めることも忘れて、ずっとベットの上でうずくまっていた。
立ちあがろうにも固まった体があちこち悲鳴をあげている。
青井から受けた質問への回答は、全くもって考えつかない。
(当たり前だ)
全ての原因は私にあったから。青井は関係ない。
何て応えたら良いか全くわからない。言いようがない。
「ごめん。実はまったくあなたのことが嫌いじゃなかった。許して」
私だったら絶対に許さない。
「ごめん。実は、自分の中で整理できない問題があって、それであなたに八つ当たりしてた。許して」
私だったら、絶対に許さない。それが自分に何の関係があるのか。そんなことで、自分は今まで嫌な思いをしていたのかと激しく相手を憎悪するだろう。
謝ることは当たり前だけど、今、彼女は謝罪を要求しているのではない、私に自分のことが嫌いかどうかを聞いてきたのだ。だから私は、まずそれに答えなければならない。回答は、嫌いか嫌いではないかの二択。
彼女に対する羨望から生じる嫉妬心は、まだ、ある。ただ、そんな幼稚なことで嫌いと言っていたなんてどうしようもない。
悩んでも答えはでない。答えが出なければ青井には会えない。学校には行けない。
私は、私の意思で、学校に行くのをやめた。……逃げた。
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